【車椅子バスケきっかけ】まごうことなき純粋な動機でした

趣味というか生き様

どうもみなさん、車椅子バスケット選手の「カタアシ」です。

車椅子バスケは今や、障がい者だけのスポーツではありません。

なぜなら、今まで障害を持つ選手しか参加できなかった、日本一のクラブチームを決める闘い

「天皇杯 日本車椅子バスケットボール選手権大会」

この「天皇杯」に健常者が、いち選手としてともにコートへ立てるようになったからです!

事実、第47回大会(2019年5月)の準優勝チーム「埼玉ライオンズ」には健常者選手が3名所属し、

決勝の舞台を熱く戦いました。

そして、地方では健常者が競技に参加できるようになったことで、人数不足を理由に辞退していたチームが、再び大会に参加できるようになり息を吹き返しています。

健常者プレイヤーが参加し競技人口が増えれば、車椅子バスケットボールはますます盛り上がっていくでしょう。

とっても楽しみ。

カタアシは、2013年から車椅子バスケを始めてなんだかんだ、10年目になります。

長いですよね、10年といえば義務教育よりながいですよ?

世の中の闇を知らない純粋な少年が、

出会いと別れ、

恋と嘘、

理不尽と嫉妬、

友情・努力・勝利、

これらを経験して、心も体も一人前、つまり「もっさもさ」になれるだけの時間を

車椅子バスケットボールと過ごしてきました。

つまり私は、もっさもさの車椅子バスケプレイヤーです。

今回は、一人の片足切断と車椅子バスケットボールの運命の出会い。

その重厚な物語をお話ししたいと思います。

車椅子バスケを知る

18歳のころ

買ったばかりの400㏄の中型バイクでトラックと正面衝突し片足を失って、つらい入院生活を乗り切り退院。

その後、約1年ほど毎週かかさずに大学病院へリハビリに通っていました。

リハビリといっても、ビデオカメラを回しながら病院の廊下を行ったり来たり。

録画を先生と見ながら、「もう少し義足側に体重かけて~」とか「歩幅をもう少し広げて~」みたいな、健常者のように、きれいに歩く練習。

忘れていた、この感じ。

誰にでもあった時代「あんよがじょうず、あんよがじょうず」ともてはやされた時代。

その頃から10年以上たって、歩く練習をしているなんて「初心を忘れない」にもほどがある。

そんなある日、リハビリの先生から「リアル」という漫画をすすめられました。

この漫画「リアル」は、名作バスケ漫画「スラムダンク」の著者「井上雄彦先生」が描く

障がいや、車椅子バスケットボールをテーマにした漫画です。

登場人物たちが、自分の人生と向き合いながら、成長していくという内容になっており

主人公の戸川清春が、私と同じ「片足切断」ということで、「何か通じるものがあるんじゃないか?」とおすすめされました。

正直なところ、「この主人公ほど重い事情じゃねーよ」というのが本音。

主人公みたいに、短距離走の将来有望な選手でもないし、骨肉腫みたいな病気でもないし、引きこもってもないし、何にも通じるとこねぇーー!!

しいて言えば、歩き方をじろじろ見られて嫌だとかその辺は共感できました。

全ては共感は出来なかったけれど、車椅子バスケは面白そうだと、情報を集め始めました。

国立障害者リハビリテーションセンターに行く

どうやら、「リアル」に出てくる体育館は埼玉県所沢市にあるようです。

「国立障害者リハビリテーションセンター」略して「国リハ」ということが分かり、この施設について調べてみました。

厚生労働省の組織の一部で、様々な障害の治療や指導、訓練をしているところで、敷地内には大きな病院と体育館がある。

さらに、障がい者の職業訓練をする「国立職業リハビリテーションセンター」と寮まであり、当時の自分にはこれ以上ない施設でした。

そして、ここには寮生を中心とした、車椅子バスケサークルがあるとのこと。

職業訓練が出来て、資格も取れて、車椅子バスケもできる。

う~ん、文句なし。

初めての県外、しかも関東。

たしかに不安はあるけれども、行きたいとも思う。

なんとなく、都会に出れば彼女できるイメージあるし。

さらに、どうやら車椅子バスケはモテるらしい!!(諸説あり)

都会(出会い多い) × 車椅子バスケ(モテる) = 彼女できる!!

・・これでした。

そして、願書をだしあれよあれよと試験をうけて辛くも合格し、無事入所。

「さぁ、女をゲフンゲフン・・車椅子バスケサークルを探しに行こう

車椅子バスケサークルに行ってみる

寮に入所した初日、3階にある自分の部屋へ行こうとエレベーターに乗り込み、扉を閉めようとしたその時

「すいませーーーん!!乗りまーーーす!!」

ダッシュでエレベーターに滑り込む、車椅子の女の子が黒髪のショートヘアーをなびかせながら、「ありがとうございます、ニコッ!」

「これが、恋か・・・」

一目見ただけで、惚れてしまいました。ビビン!!ときました。

妄想じゃないよ!!ホントの話だよ!!!

その後、寮の食堂で奇跡の再会をはたし、一緒に食事。

緊張しすぎて、味がまったく分からない。麺かご飯かも分からない。

まるで歯医者で麻酔を打ったのかと思うくらい、だらだらとご飯をこぼしながら話を聞く。

どうやら、この子は私より3つ年上で1か月まえに入所し、なんと車椅子バスケサークルに入部しているとのこと。

はい、わかりますよね??

その日の夜には、入部していました。

車椅子バスケは楽しい

最初こそ下心まる出しで入部しましたが、実際にやってみるとやっぱり楽しかったです。

普通の車椅子では絶対に出ないようなスピードで、まるで魚が泳ぐようにすいすいと走る競技用車いす。

スピードを出し過ぎて、曲がり切れずに転倒したり、ボールがリングに届きすらしない屈辱感。

でも、まわりの人たちはスパスパとシュートを決める。

自分もこうなりたいと、熱くなるには十分でした。

そして、上手くなってあの子に「かっこいい!!」と言われたい。

数か月後、少しは競技用車いすにもなれて自由に動けるようになったころ

あの子は、サークルをやめました

理由は、「ボールが飛んでくると目をつむってしまうから・・」

くしょーーーーーー!!!!

PS:その子が今の嫁です。

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