知的障害者の子育てをテーマにした、名作として名高い「アイ・アム・サム」をあらためて見返した感想。
まぁ、私は身体障害ですが、同じ障がい者として娘をもつ親として思うところがあったので書いておきます。
I am Sam(アイアムサム)のあらすじ
サム(ショーン・ペン)には知的障害があり、知能は7歳程度。
スターバックスで働いていて、砂糖やシナモンなどの子袋を種類べつにきれいに並べ、コーヒーカップの向きもきちんと揃えるのがこだわり。
そんなサムとホームレスの女性との間に、娘が産まれます。
サムは、大好きなビートルズの曲から娘に「ルーシー(ダコタ・ファニング)」と命名。
しかし、母親はサムと産まれたばかりのルーシーを置いて姿を消してしまう。
それでも、サムからの愛情をたっぷりうけたルーシーはすくすくと成長しましたが、ルーシーが7歳になると今まで教えられていた宿題を、サム自身が教えられなくなります。
学校はルーシーの学習面を心配し、児童相談所が介入することに。
とうとう職員に保護されたルーシーは、施設に送られてしまいます。
ルーシーを取り戻すために、サムは友人たちのすすめでやり手の女性弁護士 リタ(ミシェル・ファイファー)を頼ります。
弁護士費用を払えないサムをリタは相手にしませんでしたが、周りへの見栄と反発から無償でサムの弁護を引き受けます。
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中身の薄いまえおき
実はこの映画を見るのは2度目なんよ、当時はただただ感動して号泣したなー。
なんというか、他人事とは思えんくて。
というのも主人公の娘「ルーシー」と同じように私も施設に保護されて育ったんよ。
ルーシーと違って私は16歳まで施設で育ったけど、大人たちに振り回される無力感は痛いほど共感できたんよねー。
そして、18歳で交通事故にあって片足を切断して障害者に。なんてこった。
11年たった今では子供も産まれ5歳の女の子を育てる準おっさんになりました。
なんと、今度は障害は違いますが主人公の「サム」と同じ障害をもつ親の立場に。
娘をもつ障害者の親として、映画を見返すとまた違う味わい。
ケーキを持ったまま転ぶところは、アドリブって聞いて驚いた。
いい親とはなんなのか?
全体のテーマとして、7歳程度の知能しかないサムがこれからどんどん自分より賢くなっていく、ルーシーを育てられるのか?ってこと。
面白いのは法廷でたたかう関係上、きついことばっかり言う検事が敵にみえるけれども、実はどっちもルーシーのことを一番に考えとるんよな。
でもさー、結局は「こどもがどうしたいか?」が一番だとおもうんよな~
実際に児童相談所で保護されて、施設で育った私からすると愛されも愛しもしない親と一緒にいたくなかったからそうしたし。
ルーシーは自分にとってなにが幸せで、なにが必要かをちゃんとわかっとる。
純粋に深い愛情をもっているサムは、それだけでいい親だと思うし、ルーシーもサムを愛してる。
むしろ、ルーシーのほうが私がパパのそばにいてあげないと、と愛を与えてるようにみえる。
思春期がどうとか学力がどうとか、それはどこの家庭でもぶち当たる問題だと思うし。
色々と足りない部分がありながらも、いつもルーシーを一番に考えて行動するサムは、間違いなくいい親だと思う。
里親と過ごすルーシーをみて、会わずに引き返してしまうところも「ルーシーにとっては自分より里親のほうがいいのかも」とルーシーを一番に考えてるのがわかる。
もう一人の主役リタ
この映画には、サムのほかにもう一人主人公がいると思う、それは優秀な女性弁護士リタ。
リタは、サムとは真逆で頭がよくて、常識があるしお金持ち。
これって、検事がサムに足りない部分って言ってるやつやん。
でも、子どもや旦那との家庭環境は上手くいかない。
リタは、愛してるのに上手くいかない自分に悩んでいる。
めっちゃ共感できる。いつも、子どもにかまってあげたいのに、色々やることあって優先してあげれてない。
今日は怒らないようにしようと思うのに、一瞬で爆発するし。
愛してるんだけど、一人にしてほしい気持ちにもなる。
「どんなに頑張ってもダメなの!!私は完璧にはなれない!」というリタのセリフには、自分も重なってしまい涙が溢れました。
でも、リタもサムの娘への一途な愛に触れていくうちに、子どもにとって一番大事なものがわかったんだろうね。
ルーシー役ダコタ・ファニングの凄さ
知的障害があるサムに対するルーシーは、とても7歳とは思えないくらい大人に見える。
これは、メイキングで話していたが、ルーシー役ダコタ・ファニングに知的障害の家族がいるからだと思う。
サムに微笑むルーシーのまなざしは、娘というより母親のそれにも見える。
ダコタ・ファニングの障がい者を一人の人間として接するやさしさが溢れている。
まとめ
最高の映画。
もう最初のブランコの時点で号泣。幸せとはこのことだ。
サムはいつもルーシーが大好き、何でもしてあげたい。
教養とかお金はたしかに大事だけど、やっぱり愛情が無ければ幸せじゃないよね。
物語の終わりは、はっきりとしたものではなかったけど、それはそれでいいと思う。
障害者がこどもをもつことは、人間として当然の権利だしそれを他人がとやかく言うことは無い。
色んな人のサポートが必要なのもまた事実。でも、それは健常者でも同じこと。
サムとルーシーはこれから、思春期というおおきなイベントが待っているけど、2人はきっと大丈夫。
うちもこれから小学生になるけど、いつか「なんでパパとママは障がい者なの??」とか言われんのかな?
「授業参観来ないで」とか言われたら、泣くんだけどマジで。
「両親が障がい者なんてかわいそう」とか言われてたら傷つくわ~。
まぁ、そうならないために、サムのように全力で娘を愛していこうと思う。
そう思わしてくれる映画です。
とにかく、わたしは感動した。
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